まどべ

窓辺に浮かぶ雲の切れ端が見えなくなって
それはぼくらの別れを案じてたように思えた

踏切の音 目的地は はるか遠く 都会の街
白い橋 次に渡るのは 当分さきのことだろう

バイバイ ぼくらの生まれ育ったまちよ
秘密基地はもうないの
バイバイ ぼくらの心だけに隠れてた
思い出をくしゃくしゃにして 窓から投げた

遠くむかしを思って見上げてる夕焼けより
今いる場所から見える紅色がきれいだった

青信号 目的地の まちあわせは 都会の街
忙しく 時間が過ぎれば そのうち言えることだろう

バイバイ ぼくらと共に生きてきた森よ
あの隠れ家はもうないの
バイバイ ぼくらの心のなか染み付いた
思い出のふたをとじて リボンをかけた

今も変わらないところは
ぼくの中にあるはず
時間が過ぎても
いつでも思い出せるように

バイバイ ぼくを育ててくれた風よ
いつまでもこどもじゃいれないの

バイバイ ぼくらを育ててくれた空よ
あの頃の思い出はもうないの
バイバイ ぼくらの心だけに潜んでた
キラキラをひとつかみだけ 胸にしまった
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