線香花火

いつしか「寂しさ」に目隠しして
目が合わないように
いつから「悲しみ」に口止めして
バレないようにした
それらの包帯やテープを悪戯に掴んでは
破いてひっかいて
君は言葉をくれる

あァ
もうもたないよ
耐えきれない
1個じゃ足りない
あと心臓5個くらいハンデがなきゃ
勝ち目もないよ
もう脈の打ち方にさえ
君の体温を感じて
「すき」とか
「恋」とか
「愛しい」が胸を握る

瞬いては消えゆく
線香花火の秒針を眺めて
流れ星のように
声を潜めて
限りある「今」が輝きだす

ねえ
瞳に溢れる
君が笑うと世界までも
涙して
「綺麗だね」って
命が全部
喜んでるようなんだ

消えゆく火花の中
手と手はずっと離れないようにしていた
流れ星のように
声を掻き集め
限りある「今」が輝きだす

ねえ
瞳に溢れる
君が笑うと世界までも
涙して
「綺麗だね」って
命が全部
喜んでるようで

あたりまえのように
あたりまえじゃない命に
感謝して
「幸せだね」って
君の目を見て言えるから
美しいんだ

瞬いては消えゆく
「今」が永遠のように感じて
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