ホロウェイ

オレンジの光が か細い背中を暴き出している
破れた看板のコインランドリー 信号にもたれる君
濡れた夜空を裂いていく旅客機の長い尾と轟音
割れたガラスが光るバス停 道に身を乗り出す君

固く結んだ何かが解けてしまいそう

君を愛して止まない人と君とでただ何となく
やり過ごしてきたのだろう
あの月のように あの低い月のように

煉瓦とレールの悲鳴を誘って列車が過ぎていった
捩れたシャッターの青い落書き 手をこすり合わせる君
意味の無い笑みをたたえた表情の売女のような月
男と女の詰り合う声 まぶたをそっと閉じる君

その細い身体わけも無く透けてしまいそう

君を愛して止まない人と君とでただ何となく
やり過ごしてきたのだろう
あの月のように あの低い月のように
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