鬼火

どれだけ呼んでも
届きはしなくて
行き場のない想いが
夜空に燃えてる

何度もその腕(て)に
抱かれた躯(からだ)は
静かな森深くで
凍えて眠るだけ 一人で

忘れないで この声を
瞳を 素肌を 微笑みを
鬼火と化した命が
あなたの窓辺へ逢いに行く

すべては幻世(まぼろよ)
愛した報いは
天(そら)にも昇れぬまま
悲しみ奏でてる 今宵も

忘れさせてあげないわ
涙を 傷(いた)みを 憎しみを
冷たく濡れた焔(ほのお)が
あなたの夢へと忍びこむ
そっと

あなたが殺(あや)めた
私の心を
どうか返して
×