狼と満月

満月の夜聞こえた遠吠えが
今日も僕の耳襲う
街ではほら誰かが噂話
あてに酔いしれ高笑ってる

どうせ行き過ぎたと微笑んだ
老婆が鉢に水注ぎ
思い残す事など何もないよと
灰色の瞳で囁く
月も出ない町の夜

止めどなく流れる涙を拭って
今夜も冷たい住処で眠るのか
いつか本当の優しさ触れたら
こんな僕だけど愛の中で溺れて夢を見る

欲張りな生き物が集めてる
冠は要らないんだ
幸せを探さずにいられるなら
そんな場所連れて行っておくれ
戸惑う風の夜

今瞳の奥に眠り続けてた
本当の僕を起こしに来たのか
信じられる事何一つなくて
ただ無力な世界を流離ってゆく狼なの

街ではほら誰かが噂話
あてに酔いしれ高笑ってる
満月の夜聞こえた遠吠えが
今夜も僕の耳を襲う
×