白い港

心の片隅
何かがこわれたよ
青空が眩しい
港の カフェーの椅子で
ぼくはふと
眼をふせながら
腕時計巻いた

セイルをおろした
無数の帆柱が
こわいほど綺麗だよ
離れて 生きてみようと
違う船
選んだ君に
こだわりもないさ

スーツケースくらい
自分で持つと
君はいつも強い
女だったね

港の カフェーの椅子で
ぼくはふと
眉を翳らせ
優しさを破く

青空が眩しい
かもめが 波をかすめる
触れもせず
ぼくをかすめた
君に似ているよ

帽子の陰から
流れる黒い髪
いつまでも見ていた
港の カフェーの椅子で
ぼくはふと
孤独なんだと
気がついて
苦いコーヒー飲むよ
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