タンポポ

瞬きをしてた
音が消えた昼下がり
物言わぬ風に
吹かれて揺れた

ため息をついた
火照ったままの唇で
あの花の名前
呟いてみた

最初に交わした言葉
思い出せなくて
春待つホームで
今さら気づくの

淡い淡い淡い
わたし恋をしてるの
初めて気づいて
素直にそう言えるの

高く高く高く続く空へと
舞う飛び方を
教えてくれたのは君だよ

友だちが話した
実った恋の結末は
笑って聞いたけど
少し嘘だった

思いついたのは
とりとめのないアイデアで
少ししかないから
あなたを想った

降り出した春の小雨
何故か愛しくて
昨日のわたしにさよなら告げたの

淡い淡い淡い
わたし恋をしてるの
初めて出会えた
気持ちにきゅうんとしてるの

小さな花びら
けなげに咲くその花に
気づかせてくれたのは君だよ

アスファルトの匂い
ひとり泣きたくなって
笑えてきちゃうほどに
胸の奥はあなたばかり

怖いくらいただ
わたし恋をしてるの
初めて気づいた
気持ちにそっと触れるの

高く高く高く続く空へと
舞う飛び方を
教えてくれたのは君だよ
気づかせてくれたのは君だよ
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