旅役者の唄

秋の七草 色増すころよ
役者なりゃこそ 旅から旅へ
雲が流れる 今年も暮れる
風にさやさや 花芒

時雨ふる夜は 蟋蟀(こおろぎ)啼いて
なぜか淋しい 寄せ太鼓
下座の三味さえ こころに沁みる
男涙の 牡丹刷毛

幟はたはた 夕雲見れば
渡る雁 故郷は遠い
役者する身と 空飛ぶ鳥は
どこのいずくで 果てるやら
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