くじら

水しぶきが舞う海岸線
あんまり大きく手を振るな
込み上げてくる思い出たちに
泣いてしまいそうだ

太陽に負けちゃいそうなアスファルトに
影を転がした
少しも滲まない はっきりと
ここに居たことを印すように

見上げれば青い海を
気持ち良さそうに泳ぐ白いくじら
ちっとも流されない 気ままに 自由に
好きなことをしたいよ

そんなの今のうちだけとか
わかんないよ
君とこのまま遊んでいたかったな

水しぶきが舞う海岸線
あんまり大きく手を振るな
込み上げてくる思い出たちに
身を委ねれば泣きそうになる
誰にも見えなくなるまで
瞬きしないで取っておこう
ぼやけた景色こぼれそうで見上げた
青いだけの空

時は過ぎてゆくよ僕を置いて
君もそうなんだろう?
少しも変わらないこの町を
僕もいつか離れるのかな?

「さよなら」大人の台詞さ
「つまんないの」可愛くないけど
僕なりのさよなら

誰にも見えなくなってから
必死でアイツを追いかけた
擦り減ってゆく靴底をしりめに
想いは増えてくばかりだ

水しぶきが舞う海岸線
あんまり大きく手を振るな
込み上げてくる思い出たちに
身を委ねれば泣きそうになる
誰にも見えなくなるまで
瞬きしないで取っておこう
ぼやけた景色こぼれて見えた
君のいない空
もったいない空
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