ミチシルベ

ただそこに貴方が居て
ただここに私が居る
縺れ合う赤い糸
纏わり付いた

それでも愛してる
終わらない夢を漕ぐ
貴方だけがこの闇の中で
ミチシルベの光

張り裂けてゆく痛みも
初めて愛しさと知った
永遠はきっと私の中にある
分かち合える喜びも
涙が辿る温もりも
欠けてゆく月に気付けない

さっきまでの貴方は居て
さっきまでの私のまま
波の声掻き消されてゆく
私はもう居ない

それでも愛してる
残された時を縫う
瞳に映る歪んだ空は
ミズカガミの未来

手離した“当たり前”が
何度も“今”を引き寄せた
この腕はアナタを正しく守れない
静寂の風の中で
果てしない旅を進めた
霞ゆく先を見つめてる

何処にも居場所なんて無かった
自分が誰かも見失った
貴方に見つめられた日から
弱さを知ったの

ひとりが怖くなるのは
貴方のくれた優しさが
いつまでも胸に刻まれているから
この世界に溺れても
貴方と出会えた奇跡が
遠ざかる二人を繋いでる
明けてゆく空に帆を立てる
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