早春

卒業式の途中で
華やぐ列をはずれて
校舎をそっと抜け出した
港の桟橋 見おろす丘へ

瑠璃色の波間に残された
ふたすじの船跡さえ いとおしくて
君を乗せた あの船
島影に消える

水平線に向かって
ちぎれるほど手を振った
潮風 岬をめぐり
君住む街にも 届くだろうか

卒業写真にも写らず
船に乗る君の笑顔 忘れないよ
いつの日にか 輝く
この海を越えて

宝石を浮かべた春の海
今はただ眠るように 光たたえ
君を乗せた あの船
島影に消える
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