北の花嫁

暗い番屋(ばんや)に 灯りを点(とも)す
明るい女房に なってくれ
あなたの口説(くどき)に 乗せられました
津軽海峡 北へゆく
わたしは漁師の かみさんに あゝなるんだよ

陸奥(むつ)の海越え 迎えに来たよ
ヨイショとわたしを 抱きかかえ
漁船に乗せたよ 大きな腕と
心やさしい 人柄に
わたしの両親(ふたおや) まっ先に あゝ惚れちゃった

北で育った もぎたて乙女
漁師のお嫁に いった夜は
釜臥(かまふせ)山から 昇った月も
りんご娘を 松前の
男に奪われ 口惜(くや)しいと あゝ泣いたとさ
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