氷の国

眠らない都会(まち)に 別れを告げ
北の国へと 飛び立つ

氷河の街の 低い空が
悲しみを そっと 包む

くずれ落ちてく 氷のかたまり
つみかさねた 嘘を 嘲笑(わら)うように

早すぎた時間(とき) はしゃぎすぎた夜
すべての 音が消える 氷の国

突き刺す寒さは 温りきった
哀れみを 寄せつけない

地平まで続く 白い道に
疲れてた心が 目覚めた

狭すぎる都会(まち) 遠すぎる明日(あした)
こぼれ落ちた やさしさ 取りもどせ

かすかに聞こえた 低い笛の音
遠い記憶 かすめる 氷の国

吹雪がけむる 嵐(かぜ)が泣きさけぶ
むなしい言葉たちが 消えていく

遠く残した あなたの涙が
胸を あたためている 氷の国
×