ひみつ

開いた本のページの中から
飛び出たような一日でした
約束をひとつ誰にもいわずに
守ることだけでいっぱいでした

嘘をつくのなら はにかむように
視線は低く影にひそめて

左手で掴む細い指先は
いつもより僕になにか求めてる
並んで歩く遊歩道の隅に
ぎこちない風が吹いていました

咲いた花はいつか散ってしまうと
わかっているのに

寂しさはいつか君に届くかと
全部吐き出してしまうことでした
君の涙を思いだしながら
自慰行為にふけるそんな
夜でした
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