好色一代女

水風呂に熱い身体(からだ)を沈めても
火の蛍 殺しきれずに闇に飛ぶ
荒くれの腕の中 さらされて
二度も三度も二度も三度も 恋慕う
あゝ恋する女は罪ですか
あなた あゝめらめらと
それぞれの利き腕で
夢を見るのも 女…
あたし夫がいます
でも愛さずにいられない

耳をあて聴いて下さい 血の音を
好きだから 二人どちらも好きだから
姫鏡覗(のぞ)き込み 紅をひく
二度も三度も二度も三度も 爪を剪(き)る
あゝ切なさつらさは罪ですか
眠れ あゝぐらぐらと
触れ合えばひとすじに
けものごころの 女…
いつも刃(やいば)を渡る
でも愛さずにいられない

あゝ溺(おぼ)れる女は罪ですか
あなた あゝゆらゆらと
それぞれの利き腕で
夢を見るのも 女…
あたし夫がいます
でも愛さずにいられない
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