竹林の庵

別れの言葉に さからう様に
小雪をはじいた 冬の竹
無いものねだりの 恋だから
我がまま言いたい 甘えたい
すこし も少し 側にいて
縋れば哀しい 竹林の庵(やど)

情けをたたんで 竹やぶ川を
あなたに流した 紙の雛(ひな)
篝火灯せば 飛ぶ火の粉
未練がくすぶる 赤々と
いちど も一度 逢いたくて
後れ毛乱れる 竹林の庵

ひと節ふた節 背伸びをしても
夢にはとどかぬ 夏の竹
面影相手に 引く口紅(べに)で
忘れた笑顔を 取り戻す
すこし も少し 歩いたら
明日が見えそな 竹林の庵
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