きさらぎの川

雪が哀しく 積もりもせずに
冬の流れに 溶けては消える
胸に刻んだ 別れ文字
読めば泣けます 切なさに
どこへどこへ行きつく きさらぎの川

旅の日暮れは 瀬音がしみて
こころ細さに 灯りもにじむ
いのち削った この恋に
なんで幸せ 届かない
未練未練棹さす きさらぎの川

夜空(そら)と水面に 別れた月は
添えるはずない 二人のさだめ
影を探して 振り向けば
風が野末に 吹き渡る
どこへどこへ行きつく きさらぎの川
×