石北本線

未練という名の 傷あとを
連れて女の ひとり旅
北の都の 優佳良織(ゆうからおり)は
機(はた)の音さえ 哀しく響く
石北本線 終着駅を
探す私に 雪が降る

想い出捨てたい 橋の上
神居古潭(かむいこたん)の 冬の川
渡り鳥なら いつかは帰る
二度と戻らぬ 失くした恋は…
石北本線 夜更けの駅で
みんなあなたに 見える人影(かげ)

幾つの駅を 乗り継げば
あなた忘れる 春に着く
暗い窓辺に 別れの言葉
指でなぞれば レールが軋む
石北本線 旅路の果てに
明日の灯りが 見えますか
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