望郷はぐれ鳥

バチを持つ手を 凍(こお)らすように
叩(たた)く無情の 雪つぶて
親にはぐれて 旅空夜空
これが運命(さだめ)と 太棹弾(ひ)けば……
じょんから…じょんから…じょんからョー
地蔵菩薩の サノセー 目に涙

泣かぬつもりが 白(しろ)かたびらの
袂(たもと)ぬらすも 女ゆえ
掟(おきて)破って 通った人は
呼んで帰らぬ 北前船で……
じょんから…じょんから…じょんからョー
波の藻屑(もくず)か サノセー 風岬

明日(あす)は越前 それとも佐渡か
聞けばまた哭(な)く 虎落笛(もがりぶえ)
さらばおさらば なさけの村の
灯りふり向きゃ 舞い立つ吹雪……
じょんから…じょんから…じょんからョー
せめて荒れるな サノセー 日本海
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