別れの入場券

ひと目逢いたい それだけで
息をはずませ 転げて来たに
あの人を乗せた夜汽車は 今出たところ
泣きの涙で 入場券を
握りしめても ああ遅い遅い
もう遅い

憎い冷たい 女だと
きっと私を 恨んでいよう
お別れにせめてはっきり ほんとの気持
云ってさよなら したかったのに
それも今では ああ遅い遅い
もう遅い

闇に吸われて 消えてゆく
テール・ランプが 瞼に沁みる
許してねくずれ折れそな 身体を支え
独りしょんぼり ホームの隅で
背伸びしたとて ああ遅い遅い
もう遅い
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