夕立

かなかな蝉(ぜみ)が 鳴き止んで
突然夕立 降り出した
ずぶ濡れになり バス停で
この俺見送(おく)って くれた女(ひと)
なつかしく ほろ苦く
情けなく やるせなく
夏が来るたびに この胸に
あの日の雨が 降りしきる

ここには二度と 戻るなと
怒っていたよな 夕立よ
待っててくれと 言えなくて
あれきり別れに なった女
せつなくて 恋しくて
逢いたくて 詫びたくて
夏が来るたびに この胸に
しみじみ思う 女がいる

なつかしく ほろ苦く
情けなく やるせなく
夏が来るたびに この胸に
あの日の雨が 降りしきる
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