花よ

まっすぐなあなたはいつも
がんばりすぎて迷ってしまう
さびしげな背中の影は
大きく開くつぼみのよう

ただありのままにここにあるままに
歩いてゆけるほど強くあれたなら

花よ花よ 名もなき花よ
悲しいことや悔しいことで
こぼれた涙が土を濡らすだろう
その蕾よやがて
鮮やかに色づいて
咲き誇る花になれ

正直なあなたは今日も
その優しさで傷ついてしまう
晴れた笑顔の奥の方
そっと涙を隠していた

ただゆるやかに 流れゆくままに
受けいれてゆけるほど強くあれたなら

花よ花よ 気高き花よ
凛と構えたその姿にも
雨や風に負けたあの日が
打ちのめされてまた
その弱さを知った時
きれいな色をつけるでしょう

風に乗せはぐれてく想い

涙に濡れつづけて咲く
あの花の蕾のように

花よ花よ 名もなき花よ
悲しいことも悔しいことも
やがて訪れる春の愁いに
ちいさな芽となって
ささやかな光の下
あなたがいつか絵に書いたような
咲き誇る花になれ
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