嘆きの白菊

咲いたとて 咲いたとて
どうせ冷たい 風ばかり
そっと震えて 開いて見たが
うすい運命(さだめ)の
わたしゃ白菊 悲しい花よ

泣いたとて 泣いたとて
どうせ届かぬ この思い
人に知られず 涙の露に
ひとり濡れてる
わたしゃ白菊 淋しい花よ

散ればとて 散ればとて
どうせ浮世に 染まぬまま
せめて抱いた はかない夢を
こめて薫ろか
わたしゃ白菊 嘆きの花よ
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