少女と箱の唄

目を開けたら真っ白な世界 当たり前の自由の無い部屋
唯一少女が夢見たもの 遥か彼方の青い空

ベッドの上にこっそり立ち 届けと大きく背伸びした
微かな感触さえも無く 夢の遠さが身にしみた

涙拭った真っ白な世界 自由の欠片が覗く部屋
夢見た少女が見上げた空 ほんの少し許されるかな

ベッドの上に一つ置く 背丈ぐらい大きな箱
忘れかけた微笑みで 必死になってよじ登る

息をきらせた箱の上 前より大きく背伸びした
それでも足りない青い空 唇噛み締め見つめてた

プライドだけ 姿だけ
あの頃の影に別れを告げて
また一つ 積み上げる
生きてる自分を受け入れて

小さくなった真っ白なベッド 居心地良かった空の部屋
数を忘れて積み上げて 無様に重なる箱の道

愛される事捨て去って 孤独の世界向き合って
自分を信じ登った少女 そんな君に僕は出会った

汗も拭かず箱を積み 前より早く積み上げた
まだまだ足りない青い空 君は少し目眩がした

決めたんだ 耐えたんだ
幾つもの痛み引き替えにして
何処までも 積み上げる
今ある自分を焚き付けて

雲を見下ろし君は倒れた
痛みのあまり顔を歪めて
白い世界の鳥が来て
手紙を一つ置いてった
僕に見せずに読む君は
「カルク絶望シタ」と呟いた
軽いも重いも無いのに……

手足の痛み押し殺し 積み上げ登り積み上げる
君の選んだ道だから 僕は代わってあげられない

気休めや 慰めで
解ったふりはしたくないから
痛みいつも 忘れるように
ずっと僕は唄を歌うよ

いつも一緒に 積み上げよう
君が蒼い空に届くまで
そして一緒に 登りきろう
僕が隣で歌い続けるから
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