抱きしめて

揺さぶられる私の心
歩く度痛いの
許すならば言葉を吐く
手前で引き止めてよ
「取り戻すの」

淡く灯る記憶の色
モノクロに近いよ
何故か涙止まらないの
今すぐ迎えに来て欲しい

抱きしめてよ
嘘の魔法にかかったふりしてさ
あなたとの朝の食事も
まだ残ってる
「これで最後ね」と
言葉添えていいから
古い円の白いステージで
まどろむ夢を見て
客席にはあなたもいた
でも触れられなかったよ
手伸ばしたのに

抱きしめてよ
心と心が重なるくらい
余ったスープを飲み干して
待ってるから

ぎゅっと抱きしめてよ
寂しさ故の最後のわがままよ
悪いけど私トロイメライな思想家だったわ
雨が降り出しても
あなたは来ないんでしょ

ただ最後だけは

愛されてみたかったの
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