チューリップ

染まりきった私
今更変えられない色
物語った私
あとがきへの助走ルート
振り解いたあなた
情がちょっと見え隠れ
それだけでもう終わりなの?
散文的な変わり目

優秀賞なんていらない
過去になっていくあなたの
置き土産の色が濃くなって
ひたすら苦しいよ

さよならが
もうどうにもならないなら
せめて私を寒くなさって
あなたが切った夜は
少し大きすぎた
雲ゆきは
ずっとわかってたけど
一縷の光に期待してたの
私馬鹿だからさ
まだ願いたいよ

色を変えたあなた
壊れきった私を見て
差し出そうとした手を
引っ込めた
そう見えたの

憂愁に閉ざされてた
そんな時に励まされるのも
あなたの記憶だった
苦しいな
苦しいな

終われないって私がいくら喚いたとて
あなたは首を横に振る
冷たくなった光
やけに青白くて
過去にならなきゃ2番目でも構わないって
口を開こうとしたけど
閉じてしまったものは
もう戻らなくて

2つに割れた夜に
移ろうチューリップの香り
夢を満たして涙を誘うよ

私には
もうどうにもできないから
あなたの袖を掴むことくらいしかできない

さよならが
もうどうにもならないなら
せめて私を寒くなさって
あなたが切った夜は
少し大きすぎた
赤かった2人は今日で終わって
雪に混じり合った
あなたの望む色になった
ああ、寒いな
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