酒がたり

路地にこぼれる 赤い灯が
おれをかなしく 呼びとめる
夜の寒さに 肩寄せあって
飲んだあの日の もやい酒
逢いたいな こんな夜は
おまえに 逢いたいよ

箸の袋に 好きと書き
おれにあまえて くれたやつ
細い襟足 ほくろが一つ
酒をつぐ手に からみつく
しみじみと 思い出す
おまえを 抱いた夜

音もたてずに 降りしきる
雪の白さが 目にしみる
酔えばおまえの ぬくもり今も
時の流れに 消えもせず
逢いたいな こんな夜は
おまえに 逢いたいよ
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