鎌倉恋歌

行けば涙に なるだけと
知りつつ来ました 鎌倉へ
死ぬほど惚れて 死ぬほど燃えた
あの日あの夜が ここにある
八幡さまの だんかずら
あゝ しずやしず
静御前の雨が降る

季節外れの あじさいが
口紅色した 雨になる
寂しさ連れて 切なさ連れて
小町通りを 歩きます
おもいで拾い 集めても
あゝ 恋しさが
指の先から零(こぼ)れます

遠い波音 由比ヶ浜
わたしの恋歌 届けてよ
あなたで生きて あなたで終わる
こんな一途な おんなです
鎌倉彫りの 手鏡に
あゝ しずやしず
写す望みのあした傘
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