おもかげ未練

泣けとばかりに 冷たい雨が
俺の背中を 激しく叩く
惚れちゃならない 人だから
遠く離れて 来たけれど
忘れられない 面影に
あゝ 男未練の 涙雨

夜明け間近の 港に一人
出船の汽笛が 淋しく響く
風の噂も 消えてゆく
せめても一度 逢いたいと
呼べば谺(こだま)も 泣いている
あゝ 男未練の 涙雨

いつか何処かで 笑って逢える
心の支えに 一人で生きる
馬鹿な男と 云われても
俺の命と 決めた人
抱いたあの日を 信じたい
あゝ 男未練の 涙雨
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