蘇る夏

夏空に響き渡る 蝉の鳴き声が
人の心打つのは 命の儚(はかな)さ
のんべんだらり 時の峡間(はざま)で
当てもなく揺れて
現実(いま)を生き抜く 情熱もなく
未来(あす)を憂えてる

暗い倉庫の中で 息を潜(ひそ)めてた
近づく鬼の足音を 聞いてた隠れんぼ
見つけられずに このまま夜に
忘れられたら
そんな恐怖と戦いながら
闇の中にいた

呼び戻せ 無垢な魂を
あの日の光の中に
取り戻せ 失(な)くした誇りを
この手の中に

水道の蛇口に 口を押し付けて
喉の渇き癒(いや)した 十五歳の夏
泥に塗(まみ)れて 膝を擦り剥き
暗くなるまで
たった一つの 白いボールを
追い掛けていた

呼び戻せ 無垢な魂を
あの日の光の中に
取り戻せ 失くした誇りを
この手の中に

夏空に響き渡れ 俺の歌声よ
君の心 揺さぶれ
熱く、熱く、熱く

呼び戻せ 無垢な魂を
あの日の光の中に
取り戻せ 失くした誇りを
この手の中に

呼び戻せ 無垢な魂を
あの日の光の中に
取り戻せ 失くした誇りを
この手の中に

この手の中に

その手の中に
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