喜望峰

出合い頭に赤提灯で
どうせ飲むなら 好(い)い酒飲めと
熱燗を注ぎ分けて 叱った女
お前の優しさ 心に沁みた
真っ暗闇の おとこの喜望峰
灯りが見えた ほのかに見えた

男一匹やもめの部屋に
バラを一輪 黙って活けた
気遣いに我知らず ドキッとしたよ
お前にあの時 真底惚れた
胸突き八丁 おとこの喜望峰
望みが持てた やる気が持てた

春は素足で麦の芽踏んで
秋は祭りで ひと汗掻いて
ふるさとは悠久の 明日を紡ぐ
お前と一緒に 登れりゃいいな
人生懸けた おとこの喜望峰
ここまで来れた どうにか来れた
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