望郷の橋

故郷の香りが 恋しいときは
いつも来たわね この陸橋へ
二つ並んだ 線路の果てに
そうよふたりの 津軽が見える
背伸びしながら 歌ったね
お国訛(なま)りで …よされ節

詰襟(つめえり)ボタンと お下げの髪が
肩を寄せ合い 上りの夜汽車
風の匂いも 乾いた街にゃ
馴染(なじ)めなかった 初めのうちは
夢の暦(こよみ)も 幾年(いくとせ)か
遠いあの日が …なつかしい

想えば涙を なんども捨てた
辛(つら)い夜更けは この陸橋で
いつか蕾(つぼみ)に 小さな花が
見えてきました 東京ぐらし
津軽じょんがら 北の空
お国訛りで …よされ節
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