MATATABI

本日は晴天なり 金色の夜叉も眠る
雲の切れ間 月が射せば あの人を思い返す

べんちゃらの酒に酔えば 犯して来た罪も消える
ねんごろに恋をすれば 今宵もまた上手く眠る

人は旅人 千代に ふらふらりと
枕交わせど 明日は夢の中 潜り込む

それはマタタビ嗅がせた猫のよう
我を忘れて堕ちてく恋模様
風にまかせて 枯葉が踊る 只々さめざめ我
恋は芽吹いて枯れての多年草
惚れた晴れた涙の雨の慕情
お会いしませう 愛しあいませう
誰彼矢庭に 問わずもがなに

天竺の旅路の途中 真実は未だ見えず
段だらの絣を着た あの人の影が揺れる
恋はまぼろし 蒼き一番星
旅は道連れ 情けは己の為ならず

まるで化け猫が盛り憑いたよう
わずか二秒で堕ちてく恋模様
闇のまにまに 漂いながら 常々徒然我
頭つかえど止まらぬ腰づかい
流れ流され場末の街づたい
お会いしませう 愛し合いませう
誰彼矢庭に 言わずもがなに

いずれまた旅はじめるさだめと
口にするほどの野暮はないでしょう
すべて忘れて 夢に溺れる 常々徒然我

それはマタタビ嗅がせた猫のよう
我を忘れて堕ちてく恋模様
風にまかせて 枯葉が踊る 只々さめざめ我
恋は芽吹いて枯れての多年草
惚れた晴れた涙の雨の慕情
お会いしませう 愛しあいませう
誰彼矢庭に 問わずもがなに
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