おんな無情

伊豆はおぼろ夜(よ)十三夜
傘はいらないこころ雨
濡れてみたさのひと夜の縁(えん)が
忘れられないひとになる

いっそ縋(すが)れりゃよいものを
縋れないほど惚れました
遊び上手をよそおう裏に
かくす涙のせつなさよ

明けの明星(みょうじょう)消えたのに
残る胸の火消せもせず
きついこはぜの五つ目はめて
帰るうき世にしみる雨
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