夏海

「今年の花火は恋人と行くの」
嬉しそうに話して私を置いていく
こんな晴れた日には海へ行くのかな?
楽しげな声にまた胸がきゅんとなるの

「寂しくない」は嘘じゃないのに 風の匂い 一人が寂しくなる季節

夏の海に憧れ 遠く夢見た甘い香りが過ぎてゆく
隣に君は居ない
強いから平気って また一人になりたがる私
疲れたみたい 今年の夏もまた一人

好きという気持ちがどれほどのものか
知ってしまった日から前に進めない

ねえ怖いの 私このまま 君以上を見つけられぬまま消えそうで

夏の海は遠く 思い出に憧れているだけ 疲れたみたい
今年の夏もまた一人

私きっと 本当は寂しいの 本当は誰かに 恋してみたいの

海もこの花火も 誰かと二人で手を繋いで見られたら
思い出なんて振り返らない
強いから平気って また一人になりたがる私
疲れたみたい 私も次の夏は 誰かと二人で笑っていたい
笑っていたい 笑っていたい
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