ふたりの夜汽車

石より痛い 噂の礫(つぶて)
逃(のが)れて来ました ふるさとを
世間を捨てて 過去を捨て
汽車を乗り継ぐ 北の駅
あなた後悔 してないですか
汽笛ひと声 ふたりの夜汽車

二人の膝に コートを広げ
あなたに寄り添い つなぐ指
私がそっと 身を引けば
丸く収まる はずでした
心細さに 震える夜ふけ
頬に涙の 最終夜汽車

命を重ね あなたと生きる
罪なら一生 背負います
港の町か 山間(やまあい)か
明日(あす)はどこまで 流れ行く
離れられない 離れはしない
星が見つめる ふたりの夜汽車
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