小さな窓に

ちぎれたワタ雲
ひと息 ふーっと飛ばした
日曜 猫の目
屋根から パトロール・リラ

小さな窓に季節が過ぎてゆく
ほどかれて
かなしくも忘れ
知らず知らずに愛して

蝉の声だけが 聞こえる
目を閉じれば
ジグザグかけてこう 海まで
むぎわら帽

小さな窓に季節が過ぎてゆく
呼んでみて おぼえてたい響き
知らず知らずに恋して

おいで 赤トンボ
この胸の 虫カゴへ

小さな窓に季節が過ぎてゆく
すり傷がいつのまに消えて
知らず知らずに秋の日

大人になる時 忘れる

忘れることすら 忘れる
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