残り火

妻よ
消さないでくれ
この残り火を
我が子のぬくもりを
父親らしいことは 何もしてやれず
すまないと思う
ああ 今想えば おまえと
一杯の盃も 交したことがない
妻よ
あの子だけは
あのちぎれ雲みたいに
ひとりぼっちにするなよ

妻よ
幾度めの夏
燈籠流し
盂蘭盆会(うらぼんえ)はらはら
祭り囃子に聞いたよ 再婚したってね
遠慮はいらない
ああ 今想えば おまえと
長旅のひとつさえ 付き合えなかったね
妻よ
あの子だけは
あのちぎれ雲みたいに
ひとりぼっちにするなよ

ああ 今想えば おまえと
長旅のひとつさえ 付き合えなかったね
妻よ
あの子だけは
あのちぎれ雲みたいに
ひとりぼっちにするなよ
×