朝日が昇る前に

俺がまだ生まれる前に 島を出た民の話さ
目の前に広がる海に 幻の道を見たと言う

働けど日々の暮らしは 砂の様にこぼれ落ちてく
まだ知らぬ海の彼方に 楽園があると信じて

ああ 船は波をかきわけ 洋々と希望を乗せて
祈る気持ち、不安、期待を胸に 明日を見つめてた

朝日が昇る前に この島を出て行こう
俺には優しすぎた 海風よ 人たちよ

俺もまた都会で暮らす 島を出た民のひとりさ
そして今すべてを無くし 思い出す遠き故郷

若者はいつの時代も 幻の道を行くだろう
そして傷を背負い闘い破れ 道を引き返す

朝日が昇る前に この街を出て行こう
俺にはまぶし過ぎた 光の幻よ

故郷に帰り気付いた 変わらないものがあること
初恋の咲いたあの場所 “さよなら”を知ったあの時

今も昔も故郷離れ 一度は夢見る旅人なのさ
闇の中でじっと待ってた命 光を見るために

朝日が昇る前に もう一度見つけてみよう
夜明けを信じ続け 探すのさ 希望の星を

朝日が昇る頃は また夢も見れるだろう
命を燃やし続け 進むのさこの道を
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