安曇野の春

緑さやかな 安曇野の
仰ぐ常念岳(じょうねん) 光る風
胸にせつなく うかびくる
いとしき女(ひと)よ あゝ君よ
想い出すたび
涙あふれて とめどなく

空はあかあか 白樺の
風に吹かれて 野辺を行く
つらい別れに 泣いていた
いとしき女よ あゝ君よ
遠い浮雲
ふたり黙って 眺めてた

水草(みくさ)生う瀬の せせらぎに
うたう命の 響きあり
春はめぐれど かえらない
いとしき女よ あゝ君よ
いまひとたびの
花のかほりを この胸に…
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