戻り船

黒潮に
流れて浮かぶ 花びらも
俺を迎えの 島椿
会えば泣きたい 小島の磯の
ああ ふる里へ 戻り船

船乗りの
儚い夢を 追いながら
旅に出たのも 若さ故
海はさい果ての 氷の港
ああ 海猫の 声ばかり

あの島の
燈台下を まわる時や
俺も汽笛も 唱うのさ
夢の幾月 涙の幾夜
ああ 待ち侘びた あの娘(ひと)へ
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