Amnesia

やわらかな肩越しに
霧深く煙る森
隠された真実が
密やかに こだまする

瞼(まぶた)に焼きつく
モノクロームの世界
くろい 影が 絡み合う

舞い降りてくる 光の雨に
すべて 赦(ゆる)され 溶けてゆきたい
はりつめてゆく 私の罪を
悼むように響く こもりうた

かすれてく記憶を
揺り起こす優しい歌
あたたかな面影に
胸の奥 ざわめいた

ノイズ交じりの現(うつつ)
眩暈(めまい)の中で
あかい 花が 散っていく

零れ落ちてく 虚ろな夢を
すべて 抱きしめ 愛おしみたい
取り残された 幼い痛みが
遠く 問いかける こもりうた

たそがれに滲(にじ)む空
朧(おぼろ)な月影がゆれて
濡れた瞳に映った

砕けては散る 光の破片(かけら)を
あつめ 夜を消してゆきたい
願いを抱いて 目覚める日まで
そっと 口ずさむ こもりうた
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