雲の遥か

田んぼを見渡して
故郷と思い合わせた
電車に揺られながら
窓越しに記憶を辿る

あの頃は夢に溢れて
一本道しかなかったけれど
あの頃に夢見た今は
うまくいかないことだらけで

もしも弱音を吐いたなら
昔のように叱ってほしい
負けるな、と
負けるな、と
強く抱きしめて受け止めて

涙を流すのは
哀しい時だけじゃないと
教えてくれた日が
惨めなほど懐かしくて

今 僕は夢に迷って
二手に分かれる道の前で
拳をぎゅっと握りしめるけど
逃げたいです 挫けそうです

もしも弱音を聴いたなら
昔のように笑ってほしい
何も言わず
何も言わず
優しい顔で味方して

明日に向かう途中
故郷の風 頬なでた
坂道をのぼって
雲の遥か あなたが見えた
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