柳川雨情

愛しても 愛しても 愛し足りない 君だった
離れても 離れても 忘れられない いつまでも
白秋(はくしゅう)道路に 咲いている
野菊にかさなる あの笑顔
柳川 掘割 川くだり
うしろ姿が 君に似ている 傘をさす女(ひと)よ

愛しても 愛しても 何もやれない 僕だった
悔やんでも 悔やんでも 戻れないのさ あの日には
有明海から 吹く風が
二人の想い出 連れてくる
今頃どうして いるだろか
日暮れ間近の 町はむらさき 雨の城下町

愛しても 愛しても 二度と逢えない 君だけど
倖せを 倖せを 旅の空から 祈ってる
松涛園屋敷(しょうとうやしき)の 庭さきで
交した約束 還(かえ)らない
すべては儚い 夢の中
涙まじりの こぬか雨降る 町に灯がともる
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