ここから見る丘

数え切れないほど
たくさんの雨が降った年に

水溜まりに映して知った
青空の「青」の色

ここから見る丘
そよ風薫る季節
あなたと並んでなんども訪れた

忘れないためにしまっておいたことを
思いださないうちに 待ちくたびれて消えた

変わらない太陽いつからかすれ違い
沈むことはわかっていた
ひなたぼっこもできないわたしたち

低くかかる雲が
いつもより近くにあった日に

寒さを感じたくなって
無理やりに開けた窓

ここから見る丘
どこか淋しげで
雪の中に咲くバラの花みたいだった

忘れないためにしまっておいたことを
思い出すために行こう もう一度あの丘へ

揺れる緑の波間 こぼれ落ちていった
あなたの涙のわけ 優しいうそだった

変わらない太陽いつからかすれ違い
昇ることはわかっていた
それぞれにまた 新しい朝が来る
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