ペトリコールGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 朝方の青い空気 結局眠れなかった6時 空っぽになった2段目の棚 忘れていった蝶々のピアス 雨の匂いがした 夕方の下り電車 座りたいから各駅停車 代わり映えもなく進む日常 絶え間なく移り変わる小説 雨の匂いがした 通学路で男の子が 折れた傘で笑った 濡れたアスファルトは マーガリンみたいな匂いだと笑った いつか失くした宝物 もう探すことはないだろう きれいなものを踏みにじって ゆっくりゆっくり歩いていく 集めていたビー玉は 今じゃもう欲しがったりしない 懐かしさと寂しさの横で 雨の匂いがした 夜型のひどい生活 いつの間にやら近づくアラーム 点けているだけで安心なテレビ 選ばなかったニュース番組 雨の匂いがした 通学路で男の子が 折れた傘で笑った 喉が渇いたなら 上を向いて雨を飲むんだと笑った いつか失くした宝物 もう忘れてしまうのかな 綺麗な物を買い漁って ゆっくりゆっくり歩いていく 集めていたビー玉は 今じゃもう輝いていない 懐かしさと寂しさの横で 雨の匂いがした 通学路で男の子が 折れた傘で笑った 失くしていく僕の 子供の頃のあだ名を呼んで笑った 雨の匂いがした |
逃げ水GOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 好きだった夏を取り戻しに 紫陽花模様を頼りに 胸を誘う方へ 耳障りなアラーム音が 今日もまた朝を押しつける しょうがないからベッドを降りて しょうがないから顔を洗う 通り過ぎる快速電車 いつも通り満員電車 今年ももう6月になったなぁ ふと見上げた中吊り広告 「紫陽花の季節」って 目に留まってふいに 元気かなって君のこと 好きだった夏を取り戻しに 見慣れない浴衣姿に 何も言えなくなった僕だけの 好きだった夏を取り戻しに 紫陽花模様を頼りに 胸を誘う方へ イヤホンから流れ出した あの頃よく歌ったラブソング 変な替え歌でうたった後に 必ず笑う顔が浮かぶ いつもの駅なら見送って だんだん人が減っていって 気づいたら知らないホームにいて フェンス沿いにあの日の君の 好きだった夏を取り戻しに 花火の音に隠れて 大好きって聞こえた僕だけの 好きだった夏を取り戻しに 紫陽花模様を頼りに 胸を誘う方へ |
さよならポラリスGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 小田急線 十字架 患ったのは僕の方 願わなければよかったね 結局叶わないのなら 水族館 そうだな 水族館に行きたいな 大きな魚を見たいね できるだけ大きな魚 欲しがらないのは難しい だってみんな孤独なんだ 自分からは抜け出せない さよならポラリス 近道なら永遠に近い渋滞 だったら遠回りでいいよ 人を掻き分けて歩くなら 人と笑っていたいよ 痛いよ 6等星 ヒトデ 慎ましく健気な光 見つからなくてよかったね いつまでも元気でいてね 探さないのは難しい だってみんな孤独なんだ 引力からは抜け出せない さよならポラリス 目印なら光放つ恒星 掴むことのできない指標 誰になりたいと願うより 自ら光ってみたいよ 痛いよ 小田急線 十字架 患ったのは僕の方 水族館 そうだな 水族館に行きたいな |
ガーベラGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 朽ちかけたベンチに座っていた 暮れかけたオレンジに染まっていた 北風でブランコが揺れていた 急に独りぼっちな気がした いつの間にか落ちた太陽 伸びた影は夜が食べた 閉じたガーベラ 戻れないなら 君のことはもう忘れたいの 閉じたガーベラ 触れないなら 温もりとかもう忘れたいの ひび割れたアスファルトを歩いていた プランターの花に見惚れた 暮れてったオレンジに似ていた 急に独りぼっちな気がした いつの間にか変わっていた 変われないのは思い出だけ 閉じたガーベラ 溢れるから 君のことはもう忘れたいの 閉じたガーベラ 壊せないから 真実とかもう忘れたいの いつもここにはガーベラが揺れてた 気にも留めずに通り過ぎてた 閉じたガーベラ 思い出すなら 涙なんてもう忘れたいの 閉じたガーベラ 思い出すから 笑顔なんてもう忘れそうだ 閉じたガーベラ 開いていた 幸せとかもう忘れたいの 閉じたガーベラ 開かないなら 君のことはもう忘れたいの |
カルキニクハGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 乾いた空気が口元でカラカラ音を立てる オバケ電球が今にも切れそうな命を繋ぐ 雨の降らない空を見る 寒さに凍える人が好き 始まりと終わりに泣いた 幾千の星が密かに歌う 光を以てしても 影が消えることはない 重なる想いを思い出し 重ねる想いは独りきり さよならの足音に合わせて ひどく明るい讃美歌を 開いたページが北風でペラペラしゃべり出した 懐かしい匂いが路地裏で息を潜めている 雨の降らない空を見る 冬の似合う人が好き さよならの続きを書いた 宛名のない手紙密かに仕舞う 未来を以てしても 過去が消えることはない 重なる想いを思い出し 重ねる想いは独りきり 後悔の足音に合わせて どうか明るい讃美歌を いつくしみ深き 君の為の祈り 取り去れない憂いの為に 夢を見る祈り |
あいつGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | お金もないし 帰る場所すらないし 元はと言えば彼に裏切られて えっと… ちょっと待って嫌だ こんなに弱いはずないんだって 強がってみても 涙止められない 会いたい… 彼の為だと増やしたバイトだけが 残るなんてどれだけ私バカなんだろう 誰でもいいから愛せてしまえたなら あいつも上手に仕舞えるかな 「ちょっと待って、やっぱりダメなんだ。俺には君だけなんだ。」 なんて言ってXXXが済めば 置いていくんでしょう? いっそ… どうでもいいから割り切ってしまえたなら あいつは笑って会ってくれるかな ちょっと待って嫌だ そんなに都合のいい女なんて でもいいの結局 あいつは特別なの…ずっと |
So Late MeGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 雑食の太陽 ちりちりと頬をつく ドレミ So Late Me ゆっくりと僕に降りそそぐ 星がきれいだね からすが空けた穴ぼこさ ドレミ So Late Me ゆっくりと僕に降りそそぐ 目が覚めた王様は 彼女の手のぬくもりで また今日が来たことを知る 絶え間なく降りそそぐ時間の中で 与えられた限りの時間の中で 苦しみや痛みの合間を縫って ゆっくりと僕に降りそそぐ 夢を見てたんだ そこではみんな笑ってて ドレミ So Late Me ゆっくりと僕に降り注ぐ 手をふった少年は 涙のつたうぬくもりで 大切な思い出を知る 絶え間なく降りそそぐ時間の中で 与えられた限りの時間の中で 争いや孤独の合間を縫って ゆっくりと僕に降りそそぐ ドレミファソラシド どちらさまでしょう? ドレミファソラシド そちらはどうです? ドレミファソラシド どこへいきましょう? ドレミファソラシド レ |
よりGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 死んだ花に生かされた 名前も知らない花 澄んだ空が僕を生かす いや澄んでるのかはわからない 様々に生かされて今日を越す 未来に抱かれた光 鮮やかに香る花も 青さに耐える空も 意味も無く笑い合う日々も 囁き合える愛も 死の向こうには何も無い 僕はそのように思うのです 死んだ人に生かされた 声も知らない人 瞬く星が僕を生かす まだ生きてるのかはわからない 命を捧げた人も 届きそうもない星も 真夜中にすすり泣く声も 支えてくれた胸も 死の向こうには何も無い 僕はそのように思うのです あなたにも終わりは来るけど その日まで生きていく あなたにも雨は降るけど 傘なら持って来たよ これから歩き出す人も もうすぐ終える人も 終わりを迎えるその時に 笑っていれるように 意味も無く笑い合おう 言えるなら声に出そう その手は優しく撫でるように 支えになれるように 死の向こうには何も無い だから僕はその時まで…歌う |
mean me inGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 蝉の絶叫に似た声で どうかしそうだ 今朝も高架下の柱に ホームレスさんだ 空いた 胸に巣食う穴 埋めてしまうような 驚きを依頼したい いつも通りにまた 取り憑かれて吐き気がする 逃げ出したい 痛い 死体みたい 風が吹くよ 生ぬるく吹く風が ふいにぶつかった舌打ちで どうかしそうだ いつも通り見下されて いつも通り見限る いつも通り気を使ったら いつも通り損する いつになく抗ってみては いつも通りバカ見る いつも通りばかりの世界 嫌い いつも通りにまた 取り憑かれて犯されそう 変えてみたい 叫び出したい 風が吹くよ 生ぬるく撫でていく |
いちについてGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 引き出しの奥なんかじゃない カーテンの裏なんかじゃない そんなトコじゃない いつか教室に置き忘れた いつかオルガンに置き忘れた 詰め込みすぎたポケットの奥に ボクを見つけて ねぇ早く 右回りの針は止まらない ボクを見つけて ねぇ早く 僕がボクをまだ思い出せる内に よーいドンで走り出す もう止まるコトは出来ない 始まりでつまづいたってもう 引き返せはしないんだ 本棚の隙間なんかじゃない テーブルの下なんかじゃない そんなトコじゃない いつか校庭に置き忘れた いつかブランコに置き忘れた いつかの光で照らしてあげる ボクを見つけて ねぇ早く カウントダウンは止まらない ボクを見つけて ねぇ早く 僕がボクをまだ諦めない内に よーいドンで走り出す グラウンドに響く靴の音 始まりでつまづいたヒザは 気にも留めず走るんだ よーいドンで走り出す 夕方のチャイムは聴こえない ボクらの声は高らかに 踏み出せない僕を笑うんだ 懐かしい傷跡を指でなぞってみた 僕もまたボクに笑い返した |
砂漠GOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | どんなに長い道程も 振り返ればほんの数秒 どうやら随分来てしまった 相変わらず喉が渇く 敢えて戻らない訳じゃない どう足掻いても戻れない 後ろ向きのまま進んで行くか もしくは前を向くかだ 足の速い人達が 次々追い越し消えていく 残された人達が 信じられるものは一つだ 彼らにはなれなかった 僕らだけの世界で 彼らにはなれなかった 僕らだけの未来へ 気づいたらもうこの足は 道を作り出していた 地図のない砂漠で どんなに長い道程も 先を見ればまた蜃気楼 どうやら随分続くらしい 砂埃に目を細めた 足の速い人達が 水を求めては消えていく 残された人達は 諦めきれず砂を噛んだ 彼らにはなれなかった 僕らだけの涙で 彼らにはなれなかった 僕らだけの誓いを 気づいたらほらこの道に 花は咲き始めている 独りじゃない砂漠で どんなに長い道程も 振り返ればほんの数秒 彼らにはなれなかった 僕らだけの世界で 独りではなれなかった 僕らだけの未来へ いつかはそうこの花が 一面を赤く染めた 地図のない砂漠で |
エターナルサンシャインGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 結局途中で眠ってしまった 映画のタイトル思い出せず 青冷めた小さな公園 入り組んだ枝を仰ぐ ブランコの鎖は冷たかった 空はもっと冷たかった 待ち合わせより少し早く 僕を呼ぶ懐かしい声 久しぶりに会った君は 変わらないように笑った エターナル・サンシャイン 何も無かったように エターナル・サンシャイン 愛し合ったように エターナル・サンシャイン 笑いかける君が とても悲しかった 悲しかった 「久しぶりだね。」って交わし合った 口元がどこかぎこちなかった 場違いにきれいなスイセン 不安げな風に揺れる あんなに二人は笑い合って あんなに二人はふざけ合って あんなに一緒に居たのに 続かない会話の中 エターナル・サンシャイン 何も無かったように エターナル・サンシャイン 愛し合ったように エターナル・サンシャイン 髪を切った君が とても悲しかった 悲しかった 結局途中で眠ってしまった 起きたら君が泣いていた なんで寝ちゃったの?なんて すぐにまた笑っていた 笑っていた エターナル・サンシャイン 何も無かったように エターナル・サンシャイン 愛し合ったように エターナル・サンシャイン 笑いかける君が とても悲しかった 悲しかった |
DropGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 君が欲しかったのは湿気ったビスケットですか? 有名なパティシエの甘い甘いチョコレートですか? 君が欲しかったのは酔っ払いバッカス像ですか? 完璧な肉体美で強い強いダビデ像ですか? 不安な君は川の傍 手を滑らして落としたでしょう? いつか落とした真っ青な夢は 君が欲しがったそれなりの色に 堕ちていけ! 君が欲しかったのは酸化していくシルバーですか? 永遠に輝ける高い高いプラチナですか? 不安な君が川の傍 落としたのはわざとでしょう? いつか落とした真っ赤なネイルは 君が欲しがったそれなりの色に 堕ちていけ! The rain will soon drop. 川の傍 The wind will soon drop. 落としたら The light will soon drop. また君は嘘をつくのでしょう? いつか落とした真っ白な羽は 今も隠れて飛べる日を待っている 終わらない欲望のルールの中で 君が落とした終幕を上げて 飛んでいけ! |
迷子センターGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 迷子センターは大盛況 いつ覗いても長蛇の列 整理券すら貰えない 果てしない行列 確かにここに居るはずなのに なんだかまるで居ないようで たまらなくなって来たのに これじゃあんまりだよ 僕の意味を知りませんか? ここに居ろって言ったのに 僕の意味を見ましたか? すぐにどこかへ行ってしまう 迷子の迷子のアナウンス どこに向かえばいいですか? 迷子の迷子のアナウンス 帰り道はどっちですか? 迷子の迷子のアナウンス 僕に何が出来ますか? 迷子の迷子のアナウンス 何の役に立てますか? 迷子センターは大盛況 いつになっても長蛇の列 耐えられなくなった人を 今朝ニュースで見たよ 僕の意味を知りませんか? ここに居ろって言ったのに 僕の意味を見ましたか? むしろ意味などあるのかな 迷子の迷子のアナウンス ここに居てはだめですか? 迷子の迷子のアナウンス 何をすればいいですか? 「お呼び出しを申し上げます。どこどこからお越しのだれだれ様、 捨てきれなかった夢がお呼びです。迷子センターまでお越しください。」 迷子の迷子のアナウンス 迷子の迷子のアナウンス 迷子の迷子のアナウンス 僕の出番はいつですか? |
会いたいEVEN | EVEN | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | 鶴田海王 | あなたが好きな長い髪を切って あなたが好きなコーヒーも飲まなくなって あなたが好きな土手を歩かなくなって あなたが好きなハルジオンが枯れて あなたがいない日々には 慣れてきたつもりなのに あなたがいた日々からは 抜け出せないままでいる 会いたいなんて言わない 会いたいなんて言わない 会いたいなんて言わないから 会えないなんて言わないで あなたが好きな古い本を売って あなたが好きな雑誌も買わなくなって あなたが好きな喫茶店があった 曲がり角には可愛いアジサイが咲いて 会いたいなんて言わない 会いたいなんて言わない 会いたいなんて言わないから いつかのように抱きしめて 距離の分だけ恋しさは 募るものだって聞いた 離れたら急に愛しさは 騒ぎ出すよって聞いた でも離れたくないし離したくないし 離さないでいてほしい だから私… 私… 会いたいなんて言わない 会いたいなんて言わない 会いたいなんて言わないから 会えないなんて言わないで 会いたいなんて言わない 会いたいなんて言わない 会いたいなんて言わないから 会えないなんて 会えないなんて さよならなんて 言わないで |
いなくなる日GOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 朝から雨が降っていた 街はいつもと変わらなかった でも君はいなくなる でも君はいなくなる テレビの気象予報士が 午後から雪に変わると言った でも君はいなくなる でも君はいなくなる 変わらないように電車に乗って 変わらないようにいつかの駅へ 変わらないように人が行き交う 君がいなくなるのに 発車のベルが鳴った またねは言えないから一つだけ 忘れていいから ただどうか元気でね 元気でね 雨が吹き込むホームで 変わらないように笑っていた でも君はいなくなる もう君はいなくなる 発車のベルが鳴った できるなら今すぐに手をとって 連れ去りたいけど ただそんなバカなこと しないから 発車のベルが鳴った 少し垂れた目尻に伝う雨 変わっていくのは いつだって不確かな僕らで 発車のベルが鳴った 雪に変わらないまま閉まるドア 忘れないでいて ただどうか元気でね 元気でね |
銀河鉄道の朝GOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 物語に続きがあるなら カムパネルラの父さんは 家に帰って一人になって きっと泣き崩れただろう 優しさを持て囃すなら 気づける日が来てほしい 左足が好きな猫 朝陽の漏れるカーテン 知らないことを知ったように 子供たちがうなずく わかれないことをわかったように 大人たちがうなずく 諦めたわけじゃなく 歯を食いしばっている 他人のために見送ったはずの いくつもの小さな場面が 諦めただけじゃなかったかと こっそり胸の奥に問う 叶えようと星に願って 叶わないと息を吐く そう思ってしまったら 何もしていないのと一緒だ 物語に続きがあるなら ジョバンニに何が言えるだろう 家に遊びに行ったところで ミルクは飲み干せなかったろう 優しさを持て囃すなら 気づける日が来てほしい カムパネルラの父さんも 救われる日が来てほしい 自分のために見送ったはずの いくつもの小さな場面が 諦めただけじゃなかったかと こっそり胸の奥に問う 叶わないと高を括って 叶えようとしなかった そう思ってしまったら 何も出来ないみたいじゃないか 言えないことを言ったように 子供たちがうなずく 許せないことを許すように 大人たちがうなずく 諦めたわけじゃなく 歯を食いしばっている 未来のために見送ったはずの いくつもの小さな場面が 諦めただけじゃなかったかと こっそり胸の奥に問う 叶えたいと描いた夢は 朝でも見える星になる そう思ってしまったら 何もしないより前に進もう |
ドアGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | インターホンが鳴った 午前指定の宅急便だ 近所のCD屋さんには 入荷しなかったCDだ インターホンが鳴った どうやら警察官みたいだ 何かがあった時の為に 個人情報を聞きに来た 僕の毎日はこのドアから始まる おはよう 訪ねる人 またね 出て行く僕 同じ時を越えて 同じドアを開けて インターホンが鳴った 別れたばかりの彼女だ うちに置いていた荷物を とうとう取りに来たようだ 僕の毎日はこのドアから終わった おはよう 訪ねる人 またね 出て行く君 同じ時を越えて 同じドアを閉じて インターホンが鳴った 出てみたら誰もいなかった 拍子抜けしてふと見上げた 空がとても綺麗だった おはよう またね またね |
MarbleGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | GOOD ON THE REEL | 心拍数が上がっていく 眠れない朝の5時半に 今なら間に合うだろうか こぼれない涙を抱えている 昔みたいに笑った顔を 望んだとしても叶わないなら 悔しいけれど 寂しいけれど 明日は笑えよ 諦めた夢を無駄にはするなよ お前が掲げた右手を下ろすな 不器用なお前が不器用に悩んで 選んだ道なら胸を張っていけよ 心拍数が上がっていく 眠い目で昼の2時半に 路地裏地下のライブハウス 魂の居場所を探していた 昔みたいに競い合った夢を 語ったとしても戻れないから やるせないけど ぎこちなくとも 迷わず進め 張り上げた声を忘れはしないよ お前が残した思いは消えない 不器用なお前が不器用に歌った Paperback Writerがどこからか響く 客はほとんど共演者 くしゃくしゃになったアンケート 階段で乾杯缶ビール ひどくぬるくて 塗装の剥げたレスポール ぼこぼこになった58が めちゃくちゃ格好よく見えていたっけな 諦めた夢を無駄にはするなよ お前が広げた両手で離すな 不器用なお前が不器用に愛した 世界に一つの幸せをいけよ |
スケール美術館GOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 失敗作と言われる 無名な画家の絵には 汚れた服で笑う 美しい少女の顔 いわゆる正しさが 僕にはとてもわからなくて 悩んではみたけど 僕はその絵が好きだった 正しさにまた傾く度に 少女の顔が曇りゆくなら 間違いだって見捨てないから それでも明日を望めないなら Change of values 決して終わりのない票の取り合いを 絵空事だと笑う 傑作だと称される 有名な画家の絵には ひどく目を見開いた おぞましい男の顔 所謂間違いが 僕にはとても判らなくて 悩んではみたけど 僕はその絵が嫌いだった 間違いにまた傾く度に 男の目でも枕浮くなら 正しさだって間違えるから それでも明日を望めないなら Change of values 決して終わりのない票の取り合いを 絵空事だと笑う 中央に飾られた 作者不明の絵には あなたが描いたような 天秤が揺れている 正しさにまた傾く度に 間違いがまた重さを増して 間違いにまた傾く度に 正しさがまた重さを増して Change of values 決して終わりのない票の取り合いを 絵空事だと笑う |
ノースポールGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 言えなかった言葉は今も いつかの海で出番を待つ 砂を引きずる波音に 消えないように揺れている デュランドの音がいつものように 慣れない人混みを景色にする そして僕は世界をやっと 受け入れることが出来るのだ 駅前の花屋で見かけた 鉢植えのノースポール 大切に育てられた120円の命を 譲り受けることにした ビニール袋の小さな花が 倒れそうで心配だから 今日はゆっくり帰ろう 帰ろう コンビニと線路の間の ガタガタ道を今日も歩く 人が行き交う大通りは いつも通り避けている 何人とすれ違ったとしても 通り過ぎては平行線 白い花は相も変わらず 歩調に合わせて揺れている 駅前の花屋で見かけた 鉢植えのノースポール 行き着く先がどんなに望まない場所であっても 生きることしか知らない ビル群に沈む大きな花が 寂しそうで心配だから 雑踏に溶けた小さな僕は 楽しそうなノースポールと 今日はゆっくり帰ろう 帰ろう |
せい歌GOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 世界は自分の都合の上で 気象予報士も予測不可 何かに触れて晴れても雨でも 結局自分の都合の上で 都合上の優しさ 都合上の厳しさ そうやって都合が悪くなると 簡単に見限ったりしてまた 何かのせい 誰かのせい こんな窮屈な世の中じゃ そんな言い訳も世界のせい 世界は他人の都合の上で ノストラダムスも予言不可 何かに触れて築くも滅ぶも 結局他人の都合の上で 都合上の正しさ 都合上の疚(やま)しさ そうやって都合が悪くなると 簡単に謝ったりしてまた 何かのせい 誰かのせい こんな身勝手な世の中じゃ 何かのせい 誰かのせい そうしなきゃ守れないよなんて そうしなきゃ許せないよなんて そうしなきゃ進めないよなんて そうしなきゃ生きれないよなんて そんな言い訳も世界のせい |
赤いリップGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 今夜もあなたの帰りを待つの あなたが好きなアイスを買って 換気扇の下には灰皿 あなたが吸った煙草が3本 何度もスリープ解除して 何度も画面を確かめて 前髪のくせが気になって 何度も直して待ってるの 好きって言いたい だって好きだから あなたが笑う顔が たまらなく好きだから 「おかえり。」って笑顔で言うの その準備なら出来てるの 落とさないまま待ってるの あなたが好きな赤いリップ 何でもないけど電話したい 何でもない訳ないけど いつまで経っても連絡が 来ないからただ不安なの 「ただいま。」って笑顔が好きで その為なら何でもしたい なんて言ったら困らせるから そんなことなら言わない あなたが好きな私でいたい たったそれだけのこと 重いって言わないで 軽いって見くびらないで 私は私 あなたはあなた だからきっと わかり合えないよね 「大好きだよ。」って笑顔で言うの その先ならわかってるの それでもやっぱり伝えたいの あなたが好きな赤いリップで あなたの為 私の為 これでよかったんだよね ありがとう さよなら あなたが好きな私でいたい たったそれだけのこと |
かくれんぼGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | GOOD ON THE REEL | 手慣れない化粧 塗りたてのネイル 彼女は今日も独り 街にかくれんぼ 青空を汚すように 煙を吐き出し歩く 彼は肩身の狭い 喫煙所へとかくれんぼ 涙じゃ足りないなら いっそ叫び出してもいいから 見つけ出すから ねぇ 君まで この声はたどり着けるかな 独りぼっちなんて言わせないって 言わせてよ どうせ話したってわからない 自分だけがなんて塞いでる その耳に歌う歌があるって 気づいてよ ねぇ 明け方の街を背に これから始まる人と すれ違っては自分が 嫌いになってかくれんぼ 眩しすぎる朝なら いっそ背中合わせでいいから 見つけ出してよ ねぇ 君まで この歌はたどり着けるかな 独りぼっちなんて言わせないって 聴かせてよ どうせ何したって変わらない 明日なんて来なくてもわかる 僕にだってそんな時もあるって 気づいてよ ねぇ もういいかい? 「いやまだだよ。」 もういいかい? 「ほっといてよ。」 ねぇ いつまで隠れてるの? もういいでしょ? もういいよね 隠れん坊 みいつけた 見つけ出すから ねぇ 君まで この声がたどり着けずとも 独りぼっちなんて言わせないって 言わせてよ どうせ隠れたって無駄だよ とっくに気づいているんでしょ? 君の歌はちゃんとここにあるって 歌わせて ねぇ |
ひらりGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 昨日の夢が今も 頭を離れないまま 洗濯物を干して ふと目についた桜が 美しく 誇らしく 咲いてた ひらり あんまり近くて気づけないまま 季節は春 花粉症でひどく詰まらせた鼻 優しいただいま 声が聞きたくなって電話した 空しく繰り返した呼び出し音 わかってた ずるいよね 今年も目一杯咲いているよ 相変わらず元気に咲いているよ 見上げれば 花びらが ひらり 深夜によく部屋着で 行った駅前のコンビニ 開かなくなったドアに テナント募集の張り紙 君と見た 街並みが 変わっていくよ 思い出せていた温もりももう 忘れてしまうな 靴も履かないままで飛び出した 意外と冷たかったアスファルト 悪いのは 僕だけど それでも胸が君を呼んでいた 二人だけのあだ名で呼んでいた 振り返る 君の影 ひらり 手を振るよ 舞い上げた 桜の木の下 君によく懐いていた 野良猫が鳴いた |
冬の羊GOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 二人の家 ベランダ 空と同じ色の屋根は 二人で塗ったんだ おはよう キスを交わす二人は リビングに入り込んだ 光に溶けていくようで きれい 白いソファーで 白い体温に頬を テレビでは悲しいニュースが流れてるみたいだけど 世界ではまだ殺し合いなんかやってるみたいだけど 愛してるよ さわらせてよ 二人の家 ベランダ 罪を犯す星は流れ ヒトデになったんだ おやすみ キスを交わす二人は 遠い遠い争いの 悲鳴が聞こえないように 眠ろう テレビでは悲しいニュースが流れてるみたいだけど 世界ではまだ殺し合いなんかやってるみたいだけど 愛してるよ さわらせてよ 愛してるよ さわらせてよ さわらせてよ 愛してるよ |
ショーベタGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | GOOD ON THE REEL | 僕らはただの売り物で 価値がなければ捨てられる 答えを持っているようで 実際なんにもわからない 派手に気取ってみるものの 中国製のコップの中 中途半端に呼吸をする 優雅なショーベタに似ている 作られた色 作られたヒレ みんなによく見られるように 作られた場所 作った夢 戦う前に立ち塞がる 見えないガラスの壁に 何度も何度も叩きつける頭 何度も何度も繰り返す傷 誰にも知られないように 作られたステージの上 何度も何度も締め続ける喉 何度も何度も流される度 誰にも知られないように 作った希望が踏みにじられる 生きているということすらも 煙草の吸い殻のように 僕らはただの売り物で 常に陣地を争って 見向きもせずに罵られ 振り向かれては笑われる 作られた色 作られたヒレ みんなに気に入られるように 作られた場所 作った夢 戦う前に立ち塞がる 見えないガラスの壁に 何度も何度も伸ばし続ける手を 何度も何度も払われる度 誰にも知られないように 作った希望が投げ捨てられる 生きているということすらも 潰れた空き缶のように ダブルテール クラウンテール スーパーデルタ ハーフムーン… どうかな? だめかな? まだ まだ 何度も何度も叩きつける頭 何度も何度も繰り返す傷 誰にも知られないように 作った希望が窒息してる 生きているということすべて コップのショーベタのように |
WORLDENDGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋・伊丸岡亮太 | 伊丸岡亮太 | GOOD ON THE REEL | ただ過ぎていく日々 もう寂しくないけど クラゲはプランクトンなんだってさ 飼育員さんが言ってた 誰も知らないこの世界が 昨日よりもきれいに見えた 影が伸びたらカラスがひとこと また明日 ほら虹が混ざってく もう透明になる 突然とどろく雷に 二人は肩を寄せた 誰も知らないこの世界に 昨日よりも優しく響く 窓辺で鼻歌を歌う 懐かしい雨の歌 熱に濡れた声を聴かせてよ 誰も知らないこの世界が 昨日よりもきれいに見えた 好きとかじゃない気持ちは そうたぶん 愛してる (らららら…) 夢なら覚めないでね (らららら…) 世界が終わろうとも |
私へ~光にまみれたver.~GOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | GOOD ON THE REEL | 拝啓 あの頃の自分 今の私は、君が描いた未来とはちょっと違ってしまったけど、 それでも今の生活は、なんとなく幸せです。 雨の日にはしゃぐ子供を見て、君の姿を重ねたりして、 そんなに傘を振り回したら、折れてまた叱られるよって。 おままごとはしないけど、かくれんぼはしないけど、 今の私は…そうだな、コーヒーが飲めるようになったよ。 元気ですよ。 生きてますよ。 未だに大人なのかはわからないけど、元気ですよ。 笑ってますよ。 たまには隠れて泣いちゃうけど、幸せですよ。 幸せですよ。 でもなんだか、寂しい。 つき合ってる人はいるよ。 君が描いた王子様とは、さすがにだいぶ違ってしまったけど、 それでも笑顔が可愛い、とても優しい人。 舞踏会はないけど、かぼちゃの馬車もないけど、 たまの休みが合えば、遊園地に連れていってくれるよ。 元気ですよ。 生きてますよ。 未だにぬいぐるみは捨てれないけど、元気ですよ。 笑ってますよ。 たまにはお酒に呑まれるけど、幸せですよ。 幸せですよ。 でもなんだろう、寂しい。 元気ですよ。 生きてますよ。 元気ですよ。 笑ってますよ。 幸せですよ。 でもどうして? 寂しい。 寂しいからこそ手は、誰かの手と繋いで。 気づかなくても日々は、温かくて幸せ。 |
そんな君のためにGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 愛されなくて 愛さなくなって 押しつけられて 機械になって 笑わなくなって 泣けなくなって 気づいたらもう 独りになって それでもまだ生きていたいと 君が言うなら 君が言えたら そんな君の為に生きたい そんな君の為になりたい 心からそう思えるような そんな人になりたい それでもまだ生きていたいと 僕が言うから 必ず言うから こんな僕の為に生きたい こんな僕の為になりたい 心からそう思えるような そんな人になれるかな 死にたいなら簡単さ 生きてればいいんだよ 生きていけばその内 終わりなんて来るから そんな君の為に生きたい こんな僕の為に生きたい 心からそう思えるような そんな人になりたい そんな君が見ていた こんな僕を見ていた こんな僕は見惚れた そんな君に見惚れた きっと風が吹いてた きっと星が流れた きっと気づかないほど ずっと見つめ合ってた |
手と手GOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 繋がり合って 支え合って かけがえのない手を取り合って 花が開いた 可愛らしい薄紅色 あんなに地味で小さな蕾が こんなに温かい姿で咲いている 花が開いた 見上げてはほら笑い合う そこには大人も子供も性別も 国も宗教も関係ない 一つ また一つと 小さな小さな優しさがまるで 一つ また一つと 小さな小さな花びらのように 繋がり合って 支え合って かけがえのない手を取り合って それは一つの花となって そしてまた繋がり合って 慰め合って 労り合って 分け隔てもなく思いやって それはいくつもの花となって そしてまた繋がり合って 東京という大きな幹に 数え切れない花が咲く 花が開いた 気づかない内に開いた 自然と差し出した手が 掴んだ手からまた繋がっていく手と手 一つ また一つと 小さな小さな花びらのように 重なり合って 助け合って かけがえのない手を取り合って それは一つの花となって そしてまた繋がり合って ぶつかり合って 認め合って 見返りなんて求めなくたって それはいくつもの花となって そしてまた繋がり合って 東京という大きな幹に 数え切れない花が咲く 何本もの地下鉄が 根っこのように広がって 繋げていく街と街 スクランブル交差点 行き交うすべての人にも きっと会いたい人が… 繋がり合って 支え合って かけがえのない手を取り合って それは一つの花となって そしてまた繋がり合って 重なり合って 助け合って かけがえのない手を取り合って 一つ二つと花となって 三つ四つと微笑み合って それはいくつもの花となって そしてまた繋がり合って 東京という大きな幹に 数え切れない花が咲く |
目が覚めたらGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | さよなら あなたが居た世界 さよなら あなたと生きた日々 いつまでも いつまでも 目が覚めたら白い天井 新しい花の匂いがする もうどれくらい経つだろう 柔らかな風が心地いい 中庭で車椅子を押す 寂しげな顔の看護師さん 座っているおばあさんは もう長くないらしい さよなら あなたが居た世界 さよなら あなたと生きた日々 いつまでも 忘れないでいてね さよなら あなたが居た未来 さよなら あなたと出会えた街 いつまでも いつまでも 目が覚めたら蛍光灯 枯れた花びらが落ちる音 隣のシーツは真っ白に 誰も居なかったかのように さよなら あなたが居た世界 さよなら あなたと生きた日々 いつまでも いつまでも 嘘をついて飛び出した夜 今でも毎日思い出す ちゃんと言えなくてごめんね でも後悔はしてない さよなら あなたが居た世界 さよなら あなたと生きた日々 いつまでも 忘れないでいてね 明日もしも目が覚めたら またあなたを思い返すの おやすみ いつまでも 目が覚めたら白い天井 体中に繋がれた管 あとどれくらい持つだろう あなたは元気でいるかな |
標本GOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 磔にされた蝶々に もう飛ぶことは許されない 乾き切ったスワッグに もう咲くことは叶わない 過去の栄光 そして焦燥 焦った所で誰ももう 聴いちゃくれない わかるだろ? なぁ わかるだろ? 世界中の物語より あなたに尚残る歌を 自分が生きた証として 死んでも尚生きる歌を ららら ららら でもいいんだ あなたが未来で口ずさむ 微笑むように咲く歌をそっと 思い出にされた記憶に もう会うことは許されない 折れ曲がったプライドに もう立つことは叶わない 流行り物に流されるより あなたに尚響く歌を 自分を生きた誇りとして 死んでも尚生きる歌を 70億も望まない あなたにだけ歌おう 遠く光る星なんかより あなたに尚届く歌を 自分の生きた祈りとして 死んでも尚生きる歌を ららら ららら でもいいんだ あなたが未来で口ずさむ 瞬くように降る歌をそっと |
そうだ僕らはGOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 夢は叶わないかもしれない それでも手を伸ばすことはできる 悩みは晴らせないかもしれない それでも聞くことならできる 向き不向きとか得手不得手 誰もが抱える皮肉な平等 何でもできる人なんていない ならできることからすればいい そうだ僕らは飛べやしないけど この両足で走り出すことはできる そうさ僕らに羽根なんてないけど この両腕で抱きしめることができる 僕らは愚かかもしれない それでもいいじゃないか別に 普通とか異常とか 誰に決められる 全く同じ人なんていない でも全く違う訳じゃない そうだ僕らは飛べやしないけど この両足で立ち上がることはできる そうさ僕らに羽根なんてないけど この両腕で支え合うことができる いつだって夢を 持ちなさいとか諦めなさいとか どっちだよ どっちでも どっちみち そうだ僕らは飛べやしないけど この両足で一歩ずつ進んでいく そうさ僕らに羽根なんてないけど この両腕で抱きしめることができる |
月祭GOOD ON THE REEL | GOOD ON THE REEL | 千野隆尋 | 伊丸岡亮太 | | 月がやけに明るくて 見上げながら帰った夜 明日の旅行が楽しみで なかなか寝付けなかった夜 些細なことでケンカして 背中合わせで泣いた夜 ついついゲームに熱中して 気づいたら朝を迎えた夜 下手くそなギターを静かに鳴らす 孤独と付き合う僕の夜 手を叩こう そして歌おう なんでもないこの夜を 照らし出そう お月様と さぁ 盛大に祝おう ららら…ららら… 友達の部屋に集まって うるさくて壁を叩かれた夜 解散して一人になって 急に寂しさが襲う夜 新しく買ったマニキュアの匂いが 意外と好きな君の夜 手を叩こう そして歌おう なんでもないこの夜を 照らし出そう お月様と さぁ 好きなように跳ねよう 転んだってまた 立ち上がってまだ いけるんだって強がって 歩いていくしかないんだ 信じていくしかないんだ でも これからは一緒だ 手を叩こう そして歌おう なんでもないこの夜を 照らし出そう お月様と さぁ 盛大に祝おう ららら…ららら… なんでもないこの夜を 照らし出そう お月様と ららら…ららら… |