INTERVIEW
「もう住む世界が違うから」とか言われちゃうと…。

普段、曲作りはどのような流れでなさるのですか?

大森:基本的に作詞作曲編曲を全て自分でやるんですけど、DTMでトラックだけワーッと作るんです。一人セッションみたいな感じで、ドラムを打ち込んで、ギターを弾いて。それで、鼻歌をフンフン歌っているうちに、メロディーと一緒に歌詞が出てきます。全部が同時作業ですね。全体像がわからないなか、その瞬間瞬間の感覚で録っていくので、出来上がった頃にはもう他人が作った曲のようです(笑)。

歌詞を書く上で大切にしていることはどんなところでしょう。

大森:まず、メジャーデビューのタイミングで歌詞の書き方が変わってからずっと、万人に伝わるようなわかりやすいフレーズにするというところに気をつけています。もう一つは、自分に嘘をつかないというところ。自分が歌いたくないこと、考えていないことは絶対に歌詞にしません。その二つのこだわりを大切にして、僕の言葉じゃないと意味がないような歌詞を書きたいですね。

言葉の影響はどういったところから受けることが多いですか?

大森:なんだろう…。友達とご飯に行って、会話をしているときに「ん?今のはちょっと違うんじゃないか?」って思ったこととか、そういう感覚は大事にしてますね。あと、本とかマンガもよく読むし、ドラマも映画も観るんですけど、そのなかのセリフで「わー素敵だなぁ」って感じたものは覚えておくようにしているかな。でもあんまりメモに書き記したりはしないんです。忘れちゃったのだとしたら、それまでの言葉だということなので。本当に自分にとって大切な言葉が残って、曲作りのときに自然とメロディーに乗って出てくるんだと思います。

まだ曲にはなっていないけれど、元貴さんのなかで印象的だった言葉ってありますか?

photo_03です。

大森:それこそ友達とご飯を食べに行ったときのことなんですけど、相手は普通の大学生なので、日常的な会話をすると結構ズレが生じるんですよね。そういうときに向こうから「もう住む世界が違うから」とか言われちゃうと、What's up!?ってなります(笑)。わからなくもないですけど、その言葉で済ませちゃイカン!って言いました。まぁ全然イヤミで言われたわけではなくて、笑い話で終わったんですけど、ちょっと面白くて記憶に残ってますね。

歌詞が良いなぁと思うアーティストを教えてください。

大森:やっぱりルーツであるMONGOL800さんですかね。僕が一番最初にコピーして歌ったのも、モンパチさんの「あなたに」という曲でした。とくに<人にやさしくされた時 自分の小ささを知りました>ってフレーズが最強だなと思っていて、今でも大好きで歌っていますね。モンパチさんのように、簡単で普遍的な言葉を使いながらも、あったかい気持ちになれる歌詞が好きです。

では、元貴さんにとって歌詞を書くこととはどんなことだと思いますか?

大森:今の自分をわかってもらうための表現ですかね。もともと音楽を始めたきっかけが、承認欲求からなので。僕は目立ちたがり屋な小学生だったんですけど、どう前に出れば良いかわからなかったんですよ。だから音楽に出会ったとき「これだ!」ってハッとしたんですよね。小学校の卒業式の謝恩会で、モンパチさんの「あなたに」のカバーとオリジナルを1曲歌って、人前で表現するという感覚にすごく感動しました。それは今でも変わらなくて、本当に自分のことをわかってくれる人に向けて歌詞を書いている感じですね。

ちなみに今、新しく挑戦してみたい歌詞のイメージはありますか?

大森:んー、やりたいことはもう意外と叶っているんです。去年“夢みるアドレセンス”さんというアイドルに楽曲提供をさせてもらったんですけど、それまで僕はずっと女の子っぽい歌詞を書きたいなぁと思っていて、自分のストックとしては書いていたんですよ。でもなかなか世に出すきっかけがなくて。そんなときにそのお話をいただいたので、のびのびと書けて楽しかったですね。だから、ミセスじゃないアーティストが僕の作った曲を歌ってくれて、僕もその人に寄せて言葉を綴るということにもっと挑戦してみたいかな。自分のものだけじゃない創作物もどんどん増えていけばいいなって思います。

Mrs. GREEN APPLEとしてのこれからの夢は何でしょうか。

大森:まずデビュー前から掲げている“紅白に出たい”という夢はあります。というより、紅白に出られるような、みんなが知っている国民的なグループになれたらなって。でも日本だけじゃなく音楽をやりたいということも最初から目標としていたことなので、海外でライブをしてみたいですね。音楽だけのパワーってものを改めて体感したいなと思っています。

ありがとうございました!最後に、歌ネットを見ている方にメッセージをお願いします。

大森:僕らの音楽は、歌詞を見ながら曲を聴くことで完成形だと思っているので、言葉をじっくり読んでほしいですね。それで「いいな!」と思ったら、ぜひぜひ、友達とフラッと遊びに行く感覚で、ライブに来ていただけたらなって思います。


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