叶うまで追い続ける

 インディーズ時代から、独特な世界観とライブパフォーマンスが話題を呼んでいた感情型シンガーソングライター"植田真梨恵"が、シングル「彼に守ってほしい10のこと」でメジャーデビュー!

 女の子の目線で描かれたタイトル曲は、彼氏に守ってもらいたい女性の本音をセキララに羅列した植田真梨恵の世界観全開のナンバー!同世代の女子はもちろん、女子の本音を知りたい男子も必聴!

 歌ネットでは、そんな話題の作品を、いち早くお届けします!

彼に守ってほしい10のこと 作詞・作曲:植田真梨恵
秘密をばらさないでください ひとりで泣かさないでください
電話したら出てください ちょっと声を聞かせてください
どうしたってさびしい夜は ひとりで寝かさないでください
ずっとそばにいたいから ほんのちょっとわかってください
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INTERVIEW
「何回も辞めようと思いました」

去年末に髪をショートにされましたが、反響はいかがですか?

植田:ショートにしたのは大阪に出てきた時以来なのですが、どちらかというと女の子にいいねと言ってもらうことが多いです。

インディーズで7年間活動されていましたが、メジャーに対してはどう捉えていたのですか?

植田:最初は「一刻も早くメジャーデビューして、たくさんの人に私の歌を聴いてほしい」と思っていました。でも、活動していくなかでお客さんに曲が広まっていることが実感できるようになってくると、居心地が良くなってしまって、「インディーズとかメジャーとか関係なく、死ぬまで良い歌を歌っていられるなら、それはそれでいい」っていう気持ちが生まれてきたんです。

7年間の活動のなかでは、挫折もあったと思います。

植田:もう何回も辞めようと思いましたね。年々関わってくれる人が増えていくなか、「自分は何を歌えばいいのか?」が分からなくなってしまって、そんな自分に自信がなくなって、「辞めたいです」っていう話を何度かしたことがあります(笑)。特にリリースタイミングが多かったですね。

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どうしてリリースタイミングなのですか?

植田:色んな人が動いてくれていることが実感できるタイミングだから、焦っちゃうんですよね。当時は周りの人とのコミュニケーションが下手で、このままじゃ自分がやりたい事ができなくなるんじゃないかと思って。でも、よくよく考えたら、音楽自体から離れたいっていう訳ではなかったんですけどね。

夢を目指す人なら誰もがぶち当たる壁ですね。そんななかで何を支えに頑張ってきたのですか?

植田:小さい頃から「歌手になりたい」って言っていて、その夢を今の自分は叶えられていないじゃないかと考えた時に、「自分が最初に思い描いた夢は忘れないようにしよう」と思ってたんです。もちろん、その都度目指すものは変わっていくんですけど、子供の頃のことを思い出すと頑張ろうと思えましたね。

インディーズ時代の作品を聴かせてもらいましたが、特に恋愛におけるリアルな描写が印象的ですよね。「ここまで書いていいの」みたいな(笑)。

植田:(笑)。当時は、「とにかく創作をしなければ!」と常に思っていたので、心に引っかかったことや心の中で渦巻いていることをいつも吐き出している状態でした。私は、嘘くさい歌、説教くさい歌は歌いたくなかったので、グチャグチャしている部分とか、女の子特有のアップダウンの波みたいなのがそのまま出てるのかなと思います。

歌声は耳に残るハイトーンボイスですが、ご自身の声についてどう思っていますか?

植田:自分で作った曲でも「この曲は私みたいな声じゃない人に歌ってほしい」って思う歌がいっぱいあるんですよ。私は、優しく語りかける歌が好きなんですけど、どうしてもギャーギャー歌うほうにいっちゃうので、自分の歌を聴くと「ギャーギャー歌ってるな」って思いますね(笑)。

「約束を守れよ」

メジャーデビュー曲は、タイトルがとても目をひきますね。この曲はどうやってできたのですか?

植田:実は、この曲を書き始めるちょっと前にスランプになったんですよ。曲が書けなくて、人のライブを観ても感動しない。音楽に対して思いが薄れ始めている自分自身が寂しくって、それで、「何でなんだろう?」って考えたんです。そしたら、「自分の感情をだらだらとリアルに描写してるだけだから、聴いた人はその時は共感しても曲が終わったら何も残らないんだ」って思ったんです。だから、「聴いた人が今いる所よりも少しでも良い場所に行けるようなものを出していかないと意味がない。多くの人には絶対届かない」と思って、書き始めたのがこの曲なんです。

歌詞はどのように書かれたのですか?

植田:「秘密をばらさないでください」っていう言葉がフッと浮かんで、そこから「こんな曲にしたい」というイメージが膨らみました。カラオケで女の子が「秘密をばらさないでください」って歌っているところを想像しながら、さだまさしさんの「関白宣言」みたいに、彼氏へのお願いをたくさん歌う歌にしようと思ったんです。

歌詞のなかでは、彼に守ってほしいことが9しか見当たりませんが。

植田:実は歌詞には表記していないんですけど、最後に歌っているんですよ。それは書かれていないので、歌ネットさんを見た人は「歌詞が抜けてる」って思う人もいるかもしれないですね(笑)。

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書かれている内容ひとつひとつは決して大きなお願いではないのですが、恋愛を経験している女性は「分かる!」って共感できるのでしょうね。

植田:書きたいことは、まだまだありましたよ。たとえば「嘘をつかないでください」とか。でも、嘘をついてほしい人とほしくない人が世の中にはいるだろうし、「私はこれさえ守ってもらえれば大丈夫」っていうことを一提案として書いたんです。とにかくこの曲で言いたいのは、「最後まで一緒にいる約束を守れよ」っていうことなんです。

恋愛をはじめ、自分のことを書くことに恥ずかしさはないのですか?

植田:15歳の時とかは、「こういうことを書いたら変だな」とか思ったりしたんですけど、今はないですね。宇多田ヒカルさんなんて、15歳で「Automatic」を書いてるじゃないですか。すごく言葉がリアルだし、そこに本当の気持ちさえあれば大丈夫だと思いますね。

この曲は、どんな人に聴いてもらいたいですか?

植田:「気持ちが沈んでいる時に真梨恵ちゃんの曲を聴くと落ち着く」ってファンの女の子が手紙をくれたんですけど、落ち着く以上にこの曲を聴いてパワーが溢れたり、本当の意味で夢を見せられるのが理想なんです。私は大事なもののために戦っている女性を見るとパワーをもらうので、私もそうやって死ぬまで戦う姿で女の子たちに夢を見せられたらいいなと思っています。

「死ぬまでやっていきたい」

普段、曲はどのように作られているのですか?

植田:私は歌詞を見るのが好きで、中学校の頃はずっと歌詞サイトを見てました。最近は詞と曲が同時に出てくることが多いんですが、歌詞を重視しているので、元々は詞先ですね。言いたいことを一つ決めてから、それにまつわる情景描写や素材で彩っていくのが自分ルールです。

歌詞を書く時に大切にしていることは何ですか?

植田:しっくり来ない言葉は絶対に使わない。言葉とメロディーが同時に出てくることがよくあるんですけど、メロディーに対して、絶対にこれだ!っていう歌詞があるんですよ。きっとそこに正解があるはずだから、ちゃんとしっくり来るまで歌って探すようにしています。

歌詞の面で影響を受けたアーティストは?

植田:吉井和哉さんがすごく好きで、特にYOSHII LOVINSON時代がめちゃくちゃ好きなんですよ。「FALLIN' FALLIN'」という曲の最後に「セミダブル溺死体」っていう歌詞があるんですけど、「歌詞はこうじゃなきゃいけない」みたいなものがないから、目から鱗が落ちました。あとはスピッツの草野さんや銀杏BOYZの峯田さんが書く歌詞も好きですね。とことんロマンチックで、スピッツの歌詞はよーく聞くとエッチな感じもするのに終始爽やかで、聴いた後にいい感じしか残らないのも、すごいと思います。

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ライブパフォーマンスも話題を呼んでいますが、ライブはどんなことを意識していますか?

植田:一番は、足を運んでくれた人たちのことを想像しなくちゃいけないと思っています。お客さんはこのライブに来るまでに、チケットを買って、スケジュールを調整して、電車を乗り継いで道に迷いながらライブハウスに来てくれるわけじゃないですか。そういう人たちが集まってくれているんだって思うと、同じライブはできないし、皆さんの顔を見てちゃんとそこにある空気を掴んだ上で伝えていきたいなと。だから、どんなに大きな会場になっても、皆さんの顔を見て歌いたいですね。

アーティストとしての目標や夢はありますか?

植田:私が小さな頃に描いた「歌手」という夢は、テレビに出てたくさんの人にパワーをあげられる歌を届けることなんです。だから、みんなに「歌手の植田真梨恵」っていう認識を持ってもらって死ぬまでやっていきたいです。今回の曲で言っていることにも繋がるんですけど、「最後に守れない約束ならくだらない」。思い描いた夢が叶うまで追い続けることで、みんなが良しとして諦めることをもっと少なくできると思うし、そんな生き方を皆さんに見せていけたらいいですね。

それでは、最後に「歌ネット」を見ている人にメッセージをください。

植田:毎日生きている中で、色んなことが身の回りで起こっていると思うんですけど、あんまり先のことを心配してもしかたないので、ちょっと先のことだけを心配して元気に頑張ってほしいと思っています。もしも私の歌に興味を持ってくださっているのなら、ライブに来てくれたら顔を見て歌うのでぜひ会いに来てください。