〜いきものがかりのこれから〜

「いきものがたり」では、高校の頃に一度“解散”し再結成して以降、一度も解散という言葉は出てこないんですよね。これまでグループの解散を考えたことはありませんでしたか?

いやいやいや常に考えていますよ!あ〜そうか、たしかに“解散”とかって本に書いてないですね。「続けることが目標」ということはずっと言い続けていて、それは今も変わりません。でも、さっきの“終わり”を意識する話と同じで、何かが永遠に続くということはありえないので。もし何かの間違いがあったら、この3人の関係性が崩れてしまったり、助けてくださっている人が離れてしまったりするんだという危機感はちゃんと持っていないといけないなって思うんです。いきものがかりを続けていくためにも、ちょっと踏み出してしまったら“解散”がそこにあるぞと、今が当たり前ではないんだぞということはすごく意識していますね。そこは3人ともちゃんとわかり合っていると思います。

これからもいきものがかり、そして水野さんは「J-POP」を貫きながらも次々と新しい物語を綴っていくのだと思います。そのために、一番大切にしていきたいことはなんでしょうか。

一番はやっぱり聴く人を大切にすることですね。聴いてくれる人の気持ちを確実に理解することは出来ないけれど、“歌は聴く人のものだ”ということをすごく大切にしてきたグループなのでこれからもそこは忘れないようにしたいです。その上で、三人それぞれがさらに成長するということも大事だと思っていて。10代、20代、30代とずっと一緒にいて、ちょっとずつ成長はしてきたけれど、さらに自分自身の魅力を磨いていかないといけないなぁと。一人ずつが大きくなることによって、いきものがかりをもっと大きくして、もっと遠くに曲が届いていくような存在になりたいと思います。


最新シングル ご本人コメント
『いきものがたり』の中には綴られておりませんが、3人の新たな物語の第一歩である8月24日リリースのニューシングル表題曲「ラストシーン」は9月10日公開の映画『四月は君の嘘』の主題歌ですね。
はい、映画の結末が言えないので苦しいところではあるんですけど…。宮園かをりというヒロインがステージ上でバイオリンを弾いて、公正くんという主人公が彼女の後ろ姿を見ながらピアノを弾く場面があるんです。そのシーンが、吉岡の背中の話じゃないですけど、なんか自分と重なってしまって。僕もずっと彼女の後ろ姿を見ながらギターを弾いてきたので、まずそういうところからもシンパシーを感じました。それからストーリーも“終わりを描く”というところでの自分の問題意識にとって、すごくいいヒントを与えてくれましたね。だから「ラストシーン」っていうのはまさに、何かのさよならの先を生きていかなきゃいけない人の気持ちに少しでも寄り添えたらなと想いながら書いた、そんな曲です。
「ラストシーン/ぼくらのゆめ」
2016年8月24日発売
ESCL-4659 ¥1,111+税
いきものがかり プロフィール
水野良樹(Guitar&リーダー)、吉岡聖恵(Vocal)、山下穂尊(Guitar&Harmonica)による3人組グループ。小・中・高校と同じ学校に通っていた水野と山下が1999年にいきものがかりを結成。その後、吉岡が加入。地元の厚木・海老名を中心に精力的に活動し、ライブハウスやホールでのワンマンをソールドアウトするようになってゆく。2006年3月15日、「SAKURA」でメジャーデビュー。「SAKURA」はCMソングに使用され問い合わせが殺到、ブレイクのきっかけとなる。その後数々のヒット曲を生み出してきた。そして2016年3月15日、デビュー10周年の日に、ベストアルバム「超いきものばかり〜てんねん記念メンバーズBESTセレクション〜」をリリース。オリコン初登場1位を記録し、男女混成グループによる連続1位記録を自身で更新。8月24日には32枚目のシングル「ラストシーン/ぼくらのゆめ」をリリースした。

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