INTERVIEW
「数年前までは“夢を叶えること”が幸せだと思っていたので…」

ニューシングル「それでしあわせ」は、ドラマ『早子先生、結婚するって本当ですか?』の主題歌ですね。まずこの曲のタイトルは“それがしあわせ”と言い切らずに、「それでしあわせ」と自由さがあるところが素敵ですね。

chay:ありがとうございます!はじめて“幸せ”についてこんな真剣に考えました。漠然としすぎていて、普段あまり向き合うことがないテーマですし、今までの曲は自分が経験してきたことや、等身大の恋愛を書くことが多かったのでハードルが高かったですね。でも思い返してみると、数年前までは“幸せ”ってものすごく大きなことだと捉えていた気がするんですよね。それが月日を重ねて、いろんな人と出会って、悔しい思いや苦しい思いもして、25歳になっていく中でどんどん幸せの感じ方が変わってきたなぁって…。

10代、20代、30代と年齢でどんどん幸せの価値観も変わっていきますよね。

photo_02です。

chay:本当にそうですね。ほんの数年前まではとにかく“夢を叶えること”が幸せだと思っていたので、正直それ以外のことは何も考えていませんでした。その視野の狭さとか余裕のなさで気づけなかった小さな幸せに、最近やっと気づけるようになったなぁと思うんですよね。空が青いだけで幸せだなぁと感じたり。より何気ない瞬間、今まで当たり前だと思っていたこと、プライスレスなものに対して幸せだと思うことが増えていきました。たまに雨が降ったとしても、人それぞれ自分が幸せだと思えば幸せなわけだし。だから幸せは大小じゃないんだよってことを伝えたくて「それでしあわせ」というタイトルにしました。

ドラマの台本を読んだときにchayさんと早子先生、似ているなぁと思った点はありましたか?

chay:それが全く似ていなくて困ったんです。台本と原作を読んだんですけど、まず主人公の年齢が私より10歳くらい上でしたし、まだ自分自身がそこまで“結婚”ということを真剣に考えたこともありませんでした。あと早子先生はすごくポジティブな性格だけど、私はかなりネガティブなので…(笑)。一つのことを考えすぎちゃったり、何かとマイナス思考に陥りがちなんです。だから最初は「これは共通点がないのかもしれない…」って思いました。でもストーリーを読み進めていくうちに、色んな人と出会っていろんな価値観に流されそうになりながらも、結局は自分らしさを大切にして、ありのままの自分の考えを信じて真っ直ぐ生きていく彼女の姿に感銘を受けて。そういう生き方にはとても共感したので、ここにピントを合わせて作っていきましたね。

もうchayさんご自身も“ありのままの自分”でいることは少しも怖くないですか?

chay:全く怖くないですね、ちょっと周りのスタッフさんが止めるくらい常に素です(笑)。歌詞の中に<うまく笑えずに 下を向いてた あの日の私>っていうフレーズがありますが、19歳で本格的に音楽活動を始めてからテラスハウスまではまさにずっとそんな状態でした。余裕もなかったですし、自然に笑えなかったし、素直に幸せを感じられてなかったなぁと思います。でも今は、インタビューのときも、テレビに出るときも、人と接するときも、ありのままの自分でいられます。

では、25歳のchayさんが今一番幸せだと感じることはなんでしょうか。

chay:う〜…なんでしょう(笑)。そういえばこの曲を書くときに、同級生の友達を集めて「最近幸せって思うことって何?」って聞いたんです。結婚して出産した子もいれば、仕事を一生懸命がんばっている子もいて、本当にそれぞれの生き方をしているんですけど、結局そのときに盛り上がったのは「お風呂が温かい」とか「春の匂いがする」とか本当に些細なことだったんですよねぇ。私も愛犬の小次郎くんとお散歩をしているとき、綺麗なお花が咲いていることに幸せを感じたり。ちょっと前までそんなところに目も行かなかったのに(笑)。なんか、そういうことでいいと思うんですよね。家族が元気でいてくれることもそうですし。だから最近は「これが一番!」というより、日常的な小さな幸せをいくつも感じます。

ドラマの主人公の早子先生と同じ34歳になったときには、どんな自分でありたいですか?

chay:歌い続けてはいたいですね!素敵な人と出会ったなら、結婚もしたいなぁとも思います。でも歌詞にあるように<愛し合えることは素敵 もちろんひとりでも素敵>で、決めるのは自分なので、どちらを選んだとしてもきっと「幸せ」って言えるんだと思います。

ちなみにchayさんは、インタビューでよく「恋愛に対して不器用なところがある」とおっしゃっていますよね。どんなところでそう感じるのでしょうか、すごくモテそうですが…。

chay:とんでもございません(笑)!かなり不器用ですねぇ。ずっと女子高だということもありますし、三姉妹なので、まず男性というものにあまり慣れていないんです。25歳にもなって何言っているんだって話なんですけど、未だにとにかく緊張します。だから好きになった人がいてもドキドキしちゃって空回りばっかりなんです。「あなたに恋をしてみました」の歌詞なんてまさに自分のことですね(笑)。

こんな恋愛だったらいいなぁ…という理想はありますか?

chay:さっき言ったような何気ない小さな幸せを共有できる人がいてくれたらいいなぁと思います。すっごいオシャレなデートをするよりは、素朴で他愛もないことで一緒に盛り上がれるような恋愛をしたいですね。



前のページ 1 2 3 次のページ